【番外編】『わかる』ハシモト会長かく語りき 「餞けの言葉」


「おおい。今日お昼過ぎに行かせてもらうわ」

車の窓も凍りつく冬のある日の朝

会長から電話が。

寒さも少し和らいできたお昼過ぎ

会社のミニバンで会長とデザイナーのケンケンさんが到着。

コーヒーを飲みながら新たな革を使ったアイデアに花が咲きます。

餞けの言葉

ある社員が婚約相手と結婚を報告に来たときに

こんな話をしたそうです。

「男っていう生き物は何をやるかわからない根性の悪い生き物

みんなそういうところを持っている

そして失敗して帰ってくる」

「女は男を生かすことを考えなさい

男を上手に使う人間になれ」

くせや欠点を使いようで生かすこと。

男女関係でなくても何事を上手く生かすことが大事だといいます。

モノは使いよう

「欲と知恵は間違えんと 上手に使いなさい」

会長が何度も繰り返し語る話です。

欲は向上の原動力にもなる反面、

強欲によって身を滅ぼしてしまうこともある。

知恵によって賢く道を進むことができるが、

ずる賢くなれば道を踏み外してしまうこともある。

何事も上手に生かしていく。

目先のことに振り回されず、注意深く長い目で物事を見てちゃんとコントロールしていく。

今まで失敗する人を山ほど見てきたという会長は

釘を打つように若いスタッフたちにこんなアドバイスをするのです。

「そろそろいこか」

そうして会長は工房の階段をゆっくり降りていくのでした。

 


この連載について

「革っちゅうもんはなぁ、、、。」本物の革とは、商売とは、人間とは?
クアトロガッツを始めた頃に革屋さんではじまった人生談義。
それがハシモト会長との出会い。

80歳を超え、戦後からの日本を生きてこられてきた中で培われたその稀有な人生哲学と大阪ならではの人情味あふれる人柄。
「そや、ここに紙があるやろ。俺らは今までこの紙の裏をやってきたんや。いっぺん表をやろうと思うんや。」
珠玉の言葉を噛み締めていただければと思います。
毎週日曜日の夜21時に連載中。

『 わかる。ハシモト会長かく語りき』 に寄せて(クアトロガッツ 中辻)

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