『わかる』ハシモト会長かく語りき 第40話 証言「今度は お母ちゃん 呼ぼうや」奥さんを上座に


『わかる』ハシモト会長かく語りき

第40話 証言「今度は お母ちゃん 呼ぼうや」

甘利 透
モリト 元取締役

橋本社長とは、大国町の貸家で組づくり始めた時からの付き合い。

商売なんもやってへんけど、 なんか愛着を感じるんですね。

「すごく研究熱心で、徹底したものづくり精神には驚かされます。

何度か橋本社長とヨーロッパに行ったけど、通訳も付けず、ビジネスのネタを自分の目で見つける。

ミラノの街なんかも、サッサ サッサと歩いてね。

買い物は全部河内弁。

「まけてえや」とね。

ほなそれが相手に通じますねん。

これ、不思議な人やなあと。

ビジョン会でも、いろんなところ旅行さしてもろうて。

感銘を受けたのは、お母ちゃんを呼んだ堀江の料理屋での食事会やなあ。

いつもは橋本社長を中心に、仕事の考え方を一、二時間議論するんですけど、たまに食事会を開くんです。

そしたら橋本社長が、「今度、お母ちゃん呼ぼうや」って。

皆、奥さん引っ張って来たんです。

「おい今日はな、わしらが世話になっとるお母ちゃんを上座に座らそうや」と、奥さんを上座に座らせてね。

男性諸君が「いつもお世話になりまして、ありがとうございます」と、頭下げて。

ぼくら結婚してからやったことないのにね。

そっから考え方が違うんです。

家庭でも会社でも、自分ひとりでは何にもできない。周りがいてくれて、わしがおるんや、という感性なんです。

こうした生き方は、随分、影響を受けました。

だけど残念ながら、忘れてしまうんですね(笑)。

でも、橋本社長と話してると、また思い出すんです。

(つづく)


この連載について

「革っちゅうもんはなぁ、、、。」本物の革とは、商売とは、人間とは?
クアトロガッツを始めた頃に革屋さんではじまった人生談義。
それがハシモト会長との出会い。

80歳を超え、戦後からの日本を生きてこられてきた中で培われたその稀有な人生哲学と大阪ならではの人情味あふれる人柄。
「そや、ここに紙があるやろ。俺らは今までこの紙の裏をやってきたんや。いっぺん表をやろうと思うんや。」
珠玉の言葉を噛み締めていただければと思います。
毎週日曜日の夜21時に連載中。

『 わかる。ハシモト会長かく語りき』 に寄せて(クアトロガッツ 中辻)

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