小さいふ。


先日は社員研修ということで、私たちがモノづくりの素材として使っている革「栃木レザー」のタンナー(革の工場)を訪ねて栃木県まで行ってまいりました。

日本最高峰の革として知られている「栃木レザー社」は今や海外の有名ブランドなども買い付けにくるようになったといいます。

エイジングという言葉や、革をお手入れをして革を育てるということが一般的になったのはごく最近のことですが、昔からフルベジタブルタンニンなめしのヌメ革だけをつくってきた栃木レザーは、革の世界と文化を伝えることに大きな役割を果たしてきました。

クアトロガッツ一行はスタッフが作ってくれた「旅のしおり」を手に、途中で栃木県佐野市のイモフライや佐野ラーメンなどを探して道草を食いながら栃木レザーに向かうのでした。

栃木レザーに到着したクアトロガッツのスタッフ一行は、栃木レザーの方に案内してもらいながら、革の鞣しから仕上げまでのすべての工程を見学させていただきました。

快く迎えてくれ、おもてなしをしていただいた栃木レザーの方々への感謝は尽きません。本当にありがとうございます。

栃木レザーでの様子は少しづつご紹介させていただきます。

栃木レザー見学を終えた一行は新生姜ミュージアムなどで道草をしながら、宿泊先のホテルのバイキングでは大食選手権のような様相を呈した一部スタッフを眺め、全員で卓球に気勢を上げ、猿山で猿たちとたわむれ、東京駅の駅弁を片手に新幹線に乗り込み車中の人となったのでした。

移動中読んでいた星野道夫さんのエッセイ「旅をする木」の中で東京から南東アラスカの夏の海へクジラの撮影に同行したある女性編集者の話が描かれています。

"ある日の夕暮れ、ザトウクジラの群れに出会った。ぼくたちは、小さな船で、潮を吹き上げながら進むクジラのあとをゆっくりと追っていった。クジラの息が顔にかかってくるような近さで。それは圧倒的な光景だった。"
"その時である。突然、一頭のクジラが目の前の海面から飛び上がったのだ。巨体は空へ飛び立つように宙へ舞い上がり、一瞬止まったかと思うと、そのままゆっくりと落下しながら海を爆発させていった。それは映画のスローモーションを見ているような壮大なシーンだった。"
"ずっと後になって彼女はこんな風に語っていた。
「東京での仕事は忙しかったけれど、本当に行って良かった。何が良かったかって?
それはね、私が東京であわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない、それを知ったこと・・・・・・"

「旅をする木 もう一つの時間」より抜粋

旅はいつもと違う軌跡を描き、私たちに新しい人や景色との出会いを刻みました。出発地点に戻った私たちは、また変わらない日常に戻っているわけですが、今日も沢山の人によって栃木の革が作られていることを知っています。そのことを少しでも皆さんにお伝えできればと思います。


栃木レザーの現場の責任者のひとりミシバさんは、学生からすぐにこの世界に入って10年以上になる。若い頃はやんちゃだったという。「やっぱり、力仕事だからそうじゃないつとまらない部分もあるんじゃないですか。」「栃木レザーの工場で隠すところはひとつもありません。すべて見せていただいて大丈夫です。世の中ではキレイなところばかり紹介されるけど、本当はそんなところばかりではない。革はこうやって沢山の行程を経てできている。こういうものだということを伝えたい。」(ミシバさん 写真中央)

「栃木レザーではタンナーの中でも若いスタッフが多く平均年齢が30代。これからも技術を継承するために若者たちを育てていきたい」(山本社長)

「革は天然素材で生きています。だから呼吸もしています。よくあるのがビニールに入れたり、使わずにタンスの中にしまったままにすること。」大切にするのもわかるけど「使ってもらうことが何より嬉しいです。」(タカダさん 写真右)

タンナーは力仕事のため男性スタッフが多いのですが、仕上げの工程になると女性たちも活躍されていました。丁寧に一枚一枚を布で拭きながら、傷をつけないように革を仕上げている姿が印象的でした。


つづく