小さいふ。


手塚治虫の描いたメッセージ

#6 終戦の喜びと誓い “もう二度と戦争なんか起こすまい”

手塚ワールドとクアトロガッツのコラボ小さいふ。第一弾「ブッダ」第二弾「鉄腕アトム」の小さいふが誕生。
マンガのキャラクターの生みの親である手塚治虫が伝え続けてきたこと。それは生命の尊厳というテーマでした。
地球を守りたい、生命を守りたい、子どもたちの未来を守りたい。年月を経て一層輝きを放つ手塚治虫のメッセージに今一度耳を傾けたいと思います。


手塚治虫の悪夢の青年時代にも夜明けが訪れます。
18歳の時に待ちに待った終戦を迎えたのです。

戦争の終わった日、空襲の心配がなくなり、いっせいに町の灯がパッとついたとき、思わずバンザイをして涙をこぼしたそうです。
その時の心境というのは、平和という幸福を満喫することの心の底からの喜び、生きていてよかったと思う気持ちであり、当時の日本人のほとんどの感慨だったのではないかと語っています。

その時代を体験した戦中世代の日本人は、終戦を迎えた時に、もう二度と戦争なんか起こすまい、もう二度と武器なんか持つまい、孫子(まごこ)の代までこの体験を伝えようと、誰もがそういう感慨をもったといいます。しかしそれが時の流れとともに風化していくことに警鐘を鳴らしています。


「それがいつの間にか風化し形骸化して、またもや政府が、きな臭い方向に向かおうとしている。子どもたちのために、当然おとながそれを阻止しなければならないと同時に、子ども自身がそれを拒否するような人間にはぐくんでやらなければならないと思うのです。
それは結局、先に述べたように、子どもに生きるということの喜びと、大切さ、そして生命の尊厳、これを教えるほかないと思うのです。人命だけでなく生命あるものすべてを戦争の破壊と悲惨から守るんだという信念を子どもにうえつける教育、そして子どもの文化はそのうえに成り立つものでなければならない。けっして反戦だの平和だのの政治的のみのお題目では、子どもはついてこない。率先して、生命の尊厳から教えていくという姿勢が大事なのではないでしょうか。」

(『手塚治虫講演集』「未来人へのメッセージ」)

つづく


(C)手塚プロダクション / 講談社

手塚治虫 鉄腕アトム×小さいふ。

 

※手塚治虫の「塚」の字は、正しくは旧字体(塚にヽのある字)となります
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クアトロガッツ/WEBスタッフ 編集/文 中辻晃生 楠戸達也