小さいふ。


手塚治虫の描いたメッセージ

#8 科学の進歩は何のためか ”核の脅威と自然破壊”

手塚ワールドとクアトロガッツのコラボ小さいふ。第一弾「ブッダ」第二弾「鉄腕アトム」の小さいふが誕生。
マンガのキャラクターの生みの親である手塚治虫が伝え続けてきたこと。それは生命の尊厳というテーマでした。
地球を守りたい、生命を守りたい、子どもたちの未来を守りたい。年月を経て一層輝きを放つ手塚治虫のメッセージに今一度耳を傾けたいと思います。


本来人類に幸福をもたらすはずだった科学の進歩は、
いまでは人類を脅かし地球を痛めつける”悪い奴”になってしまったのです。
鉄腕アトムのテーマとなったのは「何のための科学なのか?」という問いでした。
生物たちの王国だった地球に起きている異変。
回復不可能なまでに姿を消す森林、フロンガスによるオゾン層の破壊などに対してまだ間に合ううちに言っておきたいやむにやまれぬ気持ちが自分の中で動いているといいます。


「南極大陸でさえ、各国の基地から出る大量のゴミや廃油で、周辺の海が死にかけているといいます。もはや、「地球SOS!」と叫ばねばならない目をおおうばかりの惨 状 に至ってしまいました。
さらに、一九八六年四月二十六日のチェルノブイリ原発事故による大量の放射能汚染。 すべての生物に被害を及ぼし、雨に混じって大地に降り注ぎ、とくにヨーロッパを中心 にむこう何十年も作物に影響を与えることになってしまいました。何万年も消えない放射性物質です。チェルノブイリの事故だけでも、何万年後の人類、つまり、ほくらの何 十代後か何百代後かの子孫にまで、とりかえしのつかない汚染された地球を残したことになるのです。科学の進歩は、本来人類に幸福をもたらすはずだったものです。
ところが、いまでは 地球を痛めつける悪い奴になってしまった。かつて荒唐無稽だと笑われたこともあるぼくのマンガどころの騒ぎではおさまらない、危機的状況といわざるをえません。」

(科学の進歩は何のためか『ガラスの地球を救え』より )

つづく


(C)手塚プロダクション / 講談社

手塚治虫 鉄腕アトム×小さいふ。

 

※手塚治虫の「塚」の字は、正しくは旧字体(塚にヽのある字)となります
文章の内容には編集者の主観が含まれている場合がございます。
クアトロガッツ/WEBスタッフ 編集/文 中辻晃生 楠戸達也